前回のダイジェスト
残雪期の白山に、ぺらぺらの装備で臨んだ私は、山頂まで辿り着けなかったあげく、横着して、滑落したのです。
そしてパニックに陥りました。(ここから)
パニックに陥った私は、2〜3分ぐらい、
"どうしよ!やばい!死ぬ!"
を連呼しながら、あろうことか、頭から突っ込んだ尾根を下ろうとするも、なだらかに見えた尾根はすぐさま深い崖へと変わり、あわや足を滑らせて落っこちる寸前💦
強風吹き荒ぶ尾根で、死を覚悟します。
が、パニックでうろたえるビビりの自分を、斜め上から俯瞰している「超冷静な自分」が現れ、パニックやまちゃんに、
"ちょっと落ち着け!大したことない"
"怪我はないか、自分の体、確認してみ?"
とアドバイスをくれました。
だいぶバウンドしながら滑落し、外見上の擦り傷はヒドイものの、とりあえず骨は大丈夫そうでした。体も動きます。
そこで、私は地図を広げ、自分が落ちたであろうおおよその位置を確かめることに。
地図と視界の悪い山容を眺めながら、現在地を推測していると、自然と心は落ち着きを取り戻し、「生きて帰るぞ!モード」に!
基本、遭難した場合は、"元の位置に復帰する!"が、鉄の掟ですか、かなり滑落したことから、復帰は難しく、さらに、
▷携帯の電波が悪くて、救助も呼べない
▷天候が悪く、他に登山客がいない
▷ビバークできるほどの装備がない
と、最悪の状態でしたので、選択肢を絞り、
▷物陰を探し、救助を待つ
▷一か八か、沢まで下りてみる
▷携帯の電波がつながる場所を探す
の三択のうち、折衷案として、
☆とりあえず沢まで下りてみて、
電波状態が良いところを探し、
物陰で救助を待つ。
と決め、沢まで下ることにしました。
これも、本当は危険なことです。
判断としては褒められたものではないです。
地図読みもろくにできなかった僕は、沢に降りたら逆に助かるんじゃね❓って、わけわからんノリで下りましたが、目の前に現れたのは、落差がかなりある谷でした。むしろ崖💦
こりゃあかん❗️これ以上、下るのは無謀と判断して、作戦の練り直し。
天気が回復し、見渡したところ、遠くの方に登山道らしき筋が見える!!!
光って見えました✨
一目散に、ニ時間かけて斜面を鬼のようにトラバースした結果、別当出合につながる舗装道路に復帰しました(ここでまた泣きました😭)
そして、なんとか下山することができました!!!
全身ムチウチで、顔面を強打してましたので、一応病院に行きましたが、骨も折れてなく、大事には至りませんでした。たまたまです。
そう、今回は、たまたま命拾いしただけなんです。たまたま大事なケガもなく、たまたま沢に下ることができて、たまたま復帰できて、たまたま助かっただけです。
死んでたとしても、何の不思議もない滑落事故です。
死ぬ思いをしましたので、それからは、どんな山に行くときも、エマージェンシーグッズは必ず持って行きます。軽いトレランでも。必ず!
山では何が起こるか分かりませんけど、知識と経験と装備があれば、なんとか応用が利くということも学び、現在の山行に活かしています。
もしここまで、暇つぶしにでも読んでくださっている方がいれば、参考にしていただければ幸いです。
体力馬鹿の自分は、絶対に、滑落とか遭難とかしないと思ってました!
大間違いでした!誰にでも起こり得ます💦
本当に素晴らしい登山は、生きて帰ってこそ、価値があるんだなと思いました。
怖い話をつらつらと書きましたが、それでも山は温かく、楽しく、癒される最高の場所です。
だから、舐めちゃいけない!
安全登山=楽しい登山
という考え方が、もっともっと広まれば、悲しい事故も、減るのかなぁなんて思ったりもする今日このごろです。
経験者は語る。以上