沖縄本島一周サバイバルラン2023
リタイアの記録
CP4(辺戸岬224.5km)未達
約200km地点にてリタイア申告
まず今回のコース「逆サバ」について
今回の沖サバはいつも那覇市から時計回りで本当を一周する例年のコースの逆回り
反時計回り!いわゆる「逆サバ」
例年との違いは、何と言っても核心部の
「やんばる国立公園」という地獄の連続坂道が前半に来るという設定なのに、関門が厳しい!(らしい)
そもそも初参加なので正規のコース(正サバと呼ぶ)を知らないので何とも言えませんが、タイム設定的もコースプロフィール的にも「正サバより厳しい」との声が各方面から聞こえてくる感じです。しかも逆サバは今回だけらしいとの話も。
なので、今後
正規のコースでの沖サバに出てみたい!
という方への参考になるかは分かりませんが、沖サバに出てみた完走と記録を、記憶の新しいうちに書いておきます。
沖サバのコースを走ってみて
沖縄のロードはとにかく坂が多い。
山とか峠もそんなに標高が高くないはずなのに、やたらと坂が多い。むしろ坂しかないのでは?と思うぐらいけっこうアップダウンがあります。
沖サバ経験者の方は「あそこはけっこうフラットだよー」なんて言ってましたが、それでも細かいアップダウンがちょくちょくあり、「フラット詐欺」に遭いました。
カロスは累積標高が多く計測される印象があるけれども、前半200kmの半サバだけで3000mを超えるなんて、なかなかのパンチ。
これは逆サバだからかもしれませんが、登ればそれだけ下るので、正サバでも覚悟した方が良いでしょう。
なので正直、沖サバに出るなら峠走か坂練メインに取り組んだ方が楽に走り切れると感じました。
実際にロング走練習でも峠走を入れて累積を多めにしていたけど、まだまだ足りないと感じました。坂に強くなると、沖サバ完走がグッと近づく?かな。
あと後半になればなるほど平坦と下りが辛くなってくる。この辺の対策?というか走り方もネックになってくると感じることもあるかもです。
下りがしっかりと走れれば、登りが走れなくても問題ないと思うので、無理な力を使わずに脚に負担が少ないフォームで淡々と下る練習をすればかなり利があると見ています。
アップダウンが特に多い「やんばる国立公園」の区間、正サバだと後半にくるのだけれども、ここからの関門設定はあまりキツくない?と聞いたので、むしろここまでが勝負ですかね?
沖サバのエイドと補給ポイント
一応公式のルール的には
▶︎エイドなし
▶︎途中のデポなし
▶︎個人サポート禁止
となっていますが、各チェックポイントで一応の補給できます。エイド的な要素満載でちゃんと食べ物とか飲み物あります。
また私設エイドを設置してくれている方がいて、それは利用オッケー。
ただ私設エイドはどこにあるか分からない(だいたい例年同じ?)
私設エイドを出してくれている方と人脈などがあれば、場所は把握できると思います。
私設エイドはめちゃくちゃオアシスでした。
ありがとうございました。
コンビニと共同売店
あくまで僕の経験した半サバ、主に沖縄県東部のルートに関して言うと南部はコンビニ多め、北部はコンビニがない。
共同売店という商店があるものの、欲しいものが手に入るとは限らない。
ただ、カップ麺や飲み物、アイスなどは普通に売ってて、何度か利用しましたが、夜間は営業してないので注意が必要。あと休みのところもあるので、休みだったら運が悪かったと割り切りましょう。
あと自分は登山がメインの人間、いわゆる「山屋」なので、ついつい「遭難したときのため」に補給などを多く持って行きがちで、「水場がなかったら」なんて考えがちで荷物が増える。
荷物はできる限り減らした方が良い、軽いに越したことはないと感じました。
意外に自販機がたくさんあって、飲み物にはあまり困らない感じです。
あと一つ言っておくと…
▶︎ゴミ箱が少ない。
沖縄の自販機は、ゴミ箱がないです。ごく稀にあるところもあります。
(沖縄の地元の人は、「ゴミは自販機の横に置いていく」と言っていたが、どうするかは貴方の良心次第)ちなみにコンビニでもゴミNGのところがあったりした。なのでエイドなどで「ゴミ捨てておきますよ」のご厚意には大いに甘えた方が良いです。
トイレ問題
ない場所にはない!ほとんどない。
コンビニがある場合は早々に済ませた方が良い。特に北部区間、やんばる周辺はトイレがほぼなかったです。
女性は特に辛いと思います。
この辺りは経験者にリサーチして対策が必要。
特に大きい方を催したとき、緊急避難的に野◯ソをしようにも「ハブ(毒蛇)が出る」というので、その辺の草むらなんかには入れない。
暑さ問題
今年(2023)の沖サバは例年に比べて涼しかったようです。日中の気温は23℃〜25℃くらい。
曇りが多く陽射しが少ない感じ。
晴れてれば海岸線沿いは陽射しマックス。
やんばる国立公園とかは逆に木が日除けになる感じで日陰も多いかな?と思いました。
沖サバ経験者は「過去イチ走りやすいコンディション」なんて言ってたりしました。
ただ、暑いもんは暑い!
カラッとしてるから大丈夫!なんてマヤカシ!
汗をめちゃくちゃかきました。
脱水、ミネラル不足なども体調不良につながったと思うと、やはり暑熱順化対策は必須。
コースロストについて
今回、逆サバは経験者も含めて全員が初体験!
ということもありロストがかなり多かったようです。
一応、路上に矢印を書いてくれているものの見落とすことも多いし、歩道の反対側を走ってたりすると完全に見落とす。
実際にコースロストを2回もしました。
1度目は集団でロスト。
2度目は単独でロスト。
ロストと復帰を含めて計6kmのロス
復帰までのルートファインドや検討時間なども含めたらトータル1時間くらいはロスしてると思います。最初は390kmのうちの6kmなんて誤差だわ!と思っていましたけど、最終的にだいぶ響きました。
ロストから復帰する時間、体力などを考えると、もしかするともう少し完走に近づいていたかも。
そう思うと無念ですが、これも実力のうち。
装備品について
沖サバに出るにあたっていろいろと熟慮し、装備品は選びに選び抜いたギアにしました。
「沖縄の道路は硬い」なんていう人も居たので、クッション性の良いホカのクリフトン9を新調。
ロングのときはずっとこれだし、新しいから弾みも良いし快適。
肝心の道路の硬さについては…いざ走り始めると、他と比べて硬いかどうか結局よく分かりませんでした。
靴に関して言うと、HOKAが多かったような印象でしたが、ワラーチの人も居たりしました。
仲良くしていただいた準優勝のKさんは、
▶︎3000km履き潰した
ナイキのリアクトインフィニティ
を紐なしで履いていました。
↑↑ヤバいですよね?これ?絶対ヤバいですよね?これで沖サバ初出場2位でしかも歴代2番目の最速タイムってヤバすぎ。
優勝の「飛脚王」と呼ばれるNさんに至っては
▶︎ワークマンPBブランド
「Find-Out」のランシュー
でした。
しかもカーフゲイターとかパンツまでFind-Outでした。なんかもうよく分かんない世界です。
補給に関しての雑感
僕はなるべく固形物を取った方が良いと思う派だったので、コンビニとかでもおにぎりや味噌汁、フルーツなどを買って食べ、私設エイドでもヨーグルトとかを頂来ました。
ただ徐々に胃が気持ち悪くなって、距離を進むにつれて「ウップ」となるような感じ。
ついには180km地点で、食べた物を全て吐いてしまいました。それがリタイアの直接的な原因になったと言っても過言ではないです。
吐いたのは、それまでに蓄積した内臓疲労が大きな原因だとは思います。
スポドリや酸性の果物が多かったりしたことも一つの原因かもと考えています。
とにかくカロリー入れなきゃ!と共同売店でフルーツの缶詰をドカ食いし、しばらく走ってから身体のことを考えて「アミノ酸入れとこ」とアミノバイタルを飲んだ瞬間、胃の内容物を全部吐き出してしまいました。一気にきました。
どうしたら良かったのかなど反省点や課題解決策はこれから考えます。
補給の方法は十人十食
準優勝のKさんは、ほぼ固形食は取らなかったけど、咀嚼を意識したかったから、コンビニで買った「タフグミ」という高弾力食感が謳い文句のハードグミを30分に1個ずつぐらいの間隔でモグモグしてたそうです。
最近エクストリームな登山界隈でも密かにブーム?ですよね。
あと女性1位のクイーンと呼ばれるNさんは、固形はほとんど摂らない。食べると吐いちゃうから敢えて食べない。と仰ってました。
人間は食べなくても案外走れる?
ということなのかな?
山ばっかり登ってると、「行動不能になると遭難」というハンガーノックへの恐怖心が強くなっているので、ついつい「何が何でも食べないと!」と、補給にばっかり気を取られがちなんですけど、あまりナイーブになりすぎるのも良くないのかも。と考えさせられました。
「経験」がモノを言う
このお二人に関して、そして他の超強い選手に関して言うとやはり「経験」がモノを言ってる。圧倒的な経験値に基づいて、欲求に対して素直に向き合って対処してる感じ。
上手く表現できないですが、あれやこれやと考えて、いろんなもの試してギアに課金して、あーでもないこーでもない。
それもいいでしょうけど、大事なのは
「とにかく走って経験積んだら?」
っていうすごくシンプルな感じでした。
強い人ほど考え方がシンプル
今回感じたのは「強い人ほど考え方がシンプル」ということです。
そのシンプルさは経験から成せる。
そんな感じでした。
自分は今まで「足し算のランニング」をしていたように感じます。
良いギアを買って、良い物を身に付けて、良い物を食べ、より良いメソッドを足せば、より良い走りができる。そんな感じです。
それが違うとまでは言いませんが、少なくともそれとは異なった「シンプルなロジック」があることを、身をもって学びました。
最後に皆さんへの感謝
たくさんの方に応援していただき、完走を誓った身でありながら、語弊があるかもしれませんが、とても良い経験ができた学びの多いレースでした。
応援いただきました皆様、本当にありがとうございました。一度脚を突っ込んでしまったら、卒業するまで辞められませんね、沖サバ!
そして運営スタッフの皆様や、私設エイドの皆様、そして反省会や飲み会、オプショナルツアー登山まで誘って頂いた皆様、本当にありがとうございました!
see you next Survival❗️
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