みなさんこんにちは!
山岳エンターテイナーのやまちゃんです👍
まずこの写真をご覧ください。
どうです?美しいでしょ?
(ぼくじゃないよ、山がね!)
ここは日本です。
日本が誇る北アルプスの立山連峰
そして南アルプスの女王・仙丈ヶ岳↓
北欧やネパールみたいなゴリゴリの山岳大国に行かなくても、素晴らしい雪山の景色は、日本でも堪能できます。
そこでみなさんに冬山の良さをPRし、反面冬山が持つ怖さをレクチャーして、両面を合わせた魅力をお伝えしたいと思います。
【冬山のあれこれ】
〈冬山の良いとこ〉
≫なんたって倍増する非日常感
冬山は、登山をしている人の中でも、一握りの人しか行きません。
なぜなら、「装備」と「ある程度の知識」がないと行けないからです。
トレラン装備とかで、シュシューーッなんて行く人はいないと思いますし、そんなに簡単にはいけないのです。
だから、人も少ない。
ハイシーズンは、人でごった返す山頂に、自分以外誰も居ない!なんてことも、普通にあります。
みなさんが普段「きれいだなー」って眺めているところに、自分一人だけ立っている!
なんならスマホの電波も届かないかも!
文明から隔絶された世界に、足を踏み入れるってだけで、非日常感が倍増します。
夏山でも、場所によれば非日常MAXなのに、さらに閉ざされた冬山なんて、非日常しかないでしょ!
≫苦労の末のこの上ない達成感
冬山はめちゃくちゃ時間かかります。
夏山の倍以上の時間と労力をかける代わりに、達成感はひとしお!
誰も通ってない、まっさらな雪面!
ラッセルをして(雪をかき分けて進む)、自分が付けてきたトレースを振り返れば、歩いてきたルートがきれいに見えるし、自分がどれだけ頑張って登ってきたか、とっても分かりやすい。
寒いし、暑いし、きついし、重いし、長いし。。。
の何重苦をも乗り越えたる冬山登山は、人間力を高めてくれる!
すなわち、人としても成長できるのだ!
≫この世のものとは思えない絶景
これはもう説明いらないでしょ。
そこにたどり着けた者にしか、見ることが許されない「山の本当の姿」
力強さの中に描かれる優しい曲線美。
普段は藪や樹林帯に埋もれている稜線や山の端が、まるで縁取りのラインを施したかのように鮮やかに線引きされ、極上のスイーツを彷彿させるコントラストは、息をするのも忘れるほど美しいのです。
写真や映像では、これっぽっちも伝わらない。
五感で感じる景色に勝るものはないです。
〈冬山のつらいとこ・こわいとこ〉
≫目の前に迫る死の恐怖
簡単にいうと、死ぬ危険が増します。
登山は、夏山でも「安全第一」が原則なほど、他のアクティビティに比べると、命を落とすリスクは大きいです。冬山となると、そのリスクは倍以上!
滑落や雪崩はもちろん、低体温や凍死など、常に何らかの死の恐怖が目の前にぶら下がっています。
僕は以前、残雪期の白山で滑落し、九死に一生を得た経験があります。
カリカリの斜面は「マジで止まんない」です。経験者は語ります!
そして雪崩。「もうそろそろ行きまっせ」と言わんばかりにひび割れ、「ぼこっぼこっ」と地鳴りがすれば、冷や汗が止まりませんね。
実際に雪崩が起きている斜面を反対から眺めたことがありますが、率直な感想は「こりゃやべーな」です。
あと、冬山はマジで寒いです。先日の仙丈ケ岳では、冬季避難小屋の中でもマイナス10℃前後。外に出れば、体感はマイナス20℃ですよ!そんなところに長くいたら、死ぬに決まってますよね。スマホで写真撮ろうとして手袋なんて外そうもんなら、一瞬で指の感覚なくなって、動かなくなりますよ。
そう!当たり前ですが…冬山はマジで寒いんです。
≫気軽に行けないほど長く辛い行程
冬靴ってめっちゃ重いし、登山口までの林道とかが通行止めになっているので、夏なら車で行けるような道を、くっそ重たい装備持って、とぼとぼ歩かないといけません。
ちなみに僕が行った冬山通行止め林道ワースト3を発表!
第3位 扇沢大町線(針ノ木岳、爺ヶ岳方面)
→冬季通行止めゲートから扇沢駅まで 約6㎞
第2位 烏丸林道(常念岳、蝶ヶ岳方面)
→ほりでーゆー前ゲートから三俣登山口まで 約8㎞
第1位 中房線(燕岳方面)
→宮城ゲート(有明神社付近)~中房温泉登山口まで 約12㎞
どれも北アルプスになりますが、夏なら車でスイスーイのところを、重たい装備を背負って、カッチカチの重登山靴を履いて、何時間も歩かないといけない。
考えるだけでお腹いっぱいですよね。
ほんと、ザックの肩ベルトがちぎれるか、肩がちぎれるか、どっちが先か!ってぐらい肩が痛いです(;^ω^)
いざ登山口についても、ラッセルがあれば倍以上時間かかるし、日帰りで行こうなんてもんなら、夜明け前にスタートして、日没後に下山するなんてことになります。
山と高原地図のコースタイムは、サマータイムなんで参考にはなりません。
とにかく長すぎて、心が折れがちなのが冬の山。
≫お財布から諭吉も逃げだすハイコストさ
冬山は、装備がものを言います。
装備がないといけないので、ない人は買いそろえる必要があります。
冬山用の登山靴、アイゼン、ピッケル、ゴーグルやバラクラバ、ワカン、スノーシュー。。。
ひとつ一つが、それなりの値段します。
初期投資だけで10万円近く逝くのが、冬山登山のつらいとこ。
でもね、みなさん!雪山はマジで装備がモノを言うので、そこはケチらず、良いもの、自分に合ったものを買いましょう。
とくに冬靴は、必ずお店でフィッティングしてから買いましょう。
冬靴って、触っても堅いし、履いたら想像以上に堅くて歩きにくいです。
サイズ合ってなかったら、一瞬で靴擦れやマメできますよ。
しっくりくるものを買いましょう。
ちなみにピッケルは、いざという時に必要です。
これ使う場面は、九死に一生の場面か、テントのペグ替わりぐらいですが、持っているとかなり「バエる」ので、必ず持ちましょう。
肩こりもほぐせますよ!↓
つらつらと書きましたが、冬山は最高です!
しかし、危険と隣り合わせなので、ネットの情報だけを鵜呑みにせず、かならず知っている人に連れて行ってもらいましょう。
ネットやSNSに溢れているキラキラした画像や写真は、冬山の良い部分だけを見せていますよ。実際は、ガッチガチに震えるほど、凍てつく爆風や、飲み物を凍らせるほどの寒さが待っています。
それらを理解したうえ、万全の準備をしていけば、きっと素晴らしい景色を拝ませてくれて、この上ない経験を与えてくれるところが冬山なんです。
みなさん、冬山はじめてみませんか?
see you next Snow Mountains⛰