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山岳エンターテイナーのつぶやき

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農鳥岳に登ったときの話~農鳥小屋のうわさのオヤジ~

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こんにちは!

KOUMIロスのやまちゃんです。
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今回は回顧録です。

今年の7月に南アルプス~白峰三山縦走に行ったときの、農鳥岳の話です😏

 


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ちまたでうわさの「農鳥小屋」

白峰三山縦走で農鳥岳に行くには、避けて通れぬ小屋があります!

そう!あの!有名な!

農鳥小屋です!のうとりごや!

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何が有名かって、ここの主人!いや、

   ⏩オヤジが、クセ強め

ってことです。

相棒よしピー(仮)によるネットリサーチでは、オヤジの対応に賛否両論あるみたいで、この目で確かめるべく、農鳥小屋に立ち寄ることにします❗

というか、白峰三山縦走するには、この小屋がかなりネックな位置にあるので、避けて通れないのが現状。。。

 

 

はじめまして。農鳥オヤジ!

 

農鳥オヤジとの初対面は、農鳥小屋の売店でした。

色黒に真っ白な髭、どこの仙人かと思う風貌の老人は、頭にターバンを巻き、遠い耳を補助するための白いイヤホン?補聴器?をして、こちらを見ていました。

見た目は完全に、ネパールのシェルパ。

 

オヤジは、僕たちの姿を見るや、開口一番

おめぇらどこから来たんだ?

何時に出発した?

これからどこへ行く?

 

と、事前情報どおり、我々の行動を逐一把握しようとする!

 

普段から、コースタイムの半分ぐらいでどこでも行けるので、北岳肩の小屋から、3時間ほどで来たことを告げると、オヤジは

ほっほーぅ。はぇーじゃねぇか!

 

と笑みをこぼし、

おめぇら速そうだから、農鳥岳まですぐ行けるぞ!ただし雨が降るから、出るなら早く行け!

 

と檄を飛ばして来ましたが、農鳥小屋のバイトのお姉さんいわく、「オヤジはコースタイムの早い人が好物」と言っていました。

 

ん?お姉さん。。。( ゚Д゚)

 

バイトのお姉さんとオヤジのペヤング

そう、農鳥小屋には、オヤジの他に、一人だけバイトのお姉さんがいました。

くたくたのロンTに、クロックスを履き、屋根の雨漏りを直すためのシリコンチューブを手に持った、謎のお姉さん。

冬季に小屋が閉まれば、下界に降りて普通の会社員をしていると言っていましたが、なぜ農鳥小屋?などと疑問が深まるばかりです。でも、メチャクチャ親切でした!

 

農鳥岳へ向かう前に腹ごしらえしたいと伝えたところ、お姉さんから、

うちは、カップ麺しか置いてないスタイル。

と申し訳なさげに告げられたので、オヤジのいる売店で、

ペヤングとコーラ

を購入!f:id:yamanoid:20181011120951j:image

荷揚げは、小屋開けのときの、一度だけらしい!

そのときにすべての荷を上げて、それをチマチマ消化していき、なくなれば終了❕というスタイルだそうです。ファンキー❕

 

ペヤングができたので、オヤジに、湯はどこに捨てたらいいか」と聞いたところ、売店の目の前の地面を顎で差しながら、

   ⏩その辺に捨てとけ❕

と言う、なんともアグレッシブなオヤジ。

お姉さんに、本当にいいんですか❔と聞いたところ、お姉さんも、

   ⏩どこでも好きなところに捨てて。

と。とてもファンキー❕

 

 

うわさの天空トイレ

ペヤングを食べ終え、いよいよ農鳥岳へ!

と、その前に用を足しにトイレへ……ん?

これ、トイレ❔

と思うような、今にも崩れそうなトタン作りの建物。

そして、何より、足した用が、板?筒?を伝って、眼下の山容に流れ出る様が、直に見られます❗これがうわさの❕

 

⏩天空トイレ❕

 

いや、ただの垂れ流しやん❕

山の生態系もへったくれもない、なんともアグレッシブなトイレです❗


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そんなこんなで、いざ農鳥岳へ!

ガスが出てきたため、残念ながら景色は拝めませんでした💦

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オヤジのコーヒー

ほぼ手ぶらで、走って農鳥小屋~農鳥岳をピストンしたので、1時間半ぐらいで小屋に戻って来たところ、オヤジが、

 

もう帰ってきたのか?はぇーな❕

 

とご満悦の様子で、さらに、

   コーヒーでも飲んでけ❕

と小屋に招き入れてくれ、コーヒーをご馳走になりました❗

いや、チンタラとコーヒーを飲んでいたところ、オヤジが現れ、

 

まだ飲んでやがるのか!さっさと行け❕

 

と、再び檄を飛ばして来ました。

 

さらに、

 

急がないと、じきに雨が降る。

あのとき、オヤジのコーヒーなんて飲まなきゃ良かったと、後悔するに違いねぇ❕ 

 

なんてことを言うので、そそくさと農鳥小屋を後にすることに。

 

オヤジと、オヤジの飼ってる甲斐犬(メチャクチャ強そう)に別れを告げ、間ノ岳~中白峰山~北岳と、おかわりよろしくで登っていたところ、オヤジの言っていたタイミングより、少し早めに☔が降って来ました❗

あぁ、あのときオヤジのコーヒーを飲まなきゃ……

とは微塵も感じませんでした✨

 

自分も相棒も、気付けばオヤジのファンになっていました。

いろいろテンション上がりすぎて、

オヤジと写真撮ったりすることもせず、

ただただ、小屋の雰囲気を楽しんでました✨

 

昨今、おもてなしやサービスの良い小屋が取り沙汰され、少しでも対応が悪いと、あーだこーだと文句をつける登山者も、少なくないことでしょう。

僕がオヤジに出会って気付いたことを自分なりに、

◎登山者はあくまでも登山者で、客ではない

◎小屋での過剰なもてなしは、登山者を甘やかしてるだけ

◎小屋はあくまでも、サービスを提供する場所ではなく、目的地に辿り着くための中継点

 

ということを感じました❕

あと、オヤジの口の悪さは、自分たちのことを客として見ているのではなく、

イチ登山者

として見ているからだとも感じました❗

 

オヤジとお姉さんと、ときどき甲斐犬。

とても良い小屋だと感じました✨

絶対にまた行きます。