山の麓で!〜At the foot of the mountain!〜

山岳エンターテイナーのつぶやき

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分水嶺トレイルBコース❗豪雨の2019❗コースダイジェスト後編

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こんにちは。分水嶺ロスが激しい

やまちゃんです。

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長々と書いた前編をお読み頂き?

ありがとうございます。

ここからは、涙と汗の後編

前編をすっ飛ばして来た方はこちら

www.xn--n9jn4194a5j7c.com

分水嶺トレイル初日~二日目の早朝にかけて、「雁坂小屋」でのビバーク失敗により、寒さと眠気に耐え、疲労困憊の中、いくつもの山々を越える。

すでに24時間以上、不眠で行動を続けているので、この辺りから幻覚が発現し始める。試走のときと同じ場所で、同じ幻覚も見ましたし、新たな幻覚も見ました(笑)

   ⏩何でもない枝が、小屋の屋根に見える

   ⏩葉っぱや木の模様が文字に見える

   ⏩後ろから人の声が聞こえる

        (後続が来たかと思えば誰もいない)   

一番興味深かったのは、

   ⏩神社の幻覚

ご丁寧に、参拝している人まで居ました。

幻覚なんて、この人ヤベー人なんじゃないの?って思っているそこのあなた❗

おそらく、ブンスイラーの大半が、レース中何かしらの幻覚を見てますよ(笑)

きっとこれを読むブンスイラーさんは

   ⏩俺も俺も❗

って思ってもらえるに違いないです👍

脱線しました。

命からがら、破風山を越え、二日目の早朝、

    ⏩甲武信小屋

に到着です。

この甲武信小屋でも、スタッフの方のご協力があり、小屋の中で一時的に暖を取ったり、食事をしたりさせて頂けました!

(ゆえに、ここでリタイアという方も多かったのでは……笑っ)

この甲武信小屋でも、「行くか、退くか

の決断に迫られました!

なんせ、寒い!

このとき、閃き、僕をゴールまで導いたのが、手作りの

    ⏩エマージェンシーウェア

でした!

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ここから奮起し、日本百名山

    ⏩甲武信ヶ岳

を越え、一気に次の百名山

    ⏩金峰山

を目指します……

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が、タダでは済まないのが分水嶺の面白いところ。

この間に、

「国師ヶ岳」

という、超クセのある難所が待っています❕

僕は、この区間を試走していないので、そのクセたるや知りもしませんでしたが、先行していた女性ブンスイラーさんが、

   ⏩国師に来るたびに、
    「この山は日本一嫌いだ」と思う。

と言っていました❗

その言葉のとおり、急登鋭く、延々と続き、やっと終わったと思えばニセピーク💦

再び降ろされ、また急登❕

このレースで、一番キツイと思うパートでした💦
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すべてのニセピークを越え、真の国師ヶ岳に登頂したとき、居合わせたブンスイラー皆で、健闘を称えあったほどです!

そういうのも、このレースのいいところですね👍
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ここから、次のCP

    ⏩大弛峠

までは、下り基調ですぐに着きます❗

木道で階段が続くので、滑らないよう、慎重に下ります。

やっとこさ大弛小屋に着き、通過チェックを済ませ、カレーライスを注文。

コーラとカレー❗山の醍醐味ですね!

そしてここで30分ほどベンチで横になり、仮眠👍

ちょっと横になっただけで、眠れる眠れる(笑)

んで、食べて寝たら、ちょっと回復しました👍

ということで、金峰山に向けていざ出発です❗

意気揚々と、朝日峠朝日岳を抜け、一気に金峰山へ🎵

ゴツゴツした岩が増え、ゴーロを抜けて行きます!

なんだかこの辺り、北アルプスの常念山脈っぽい雰囲気がある😎テンション上がります👌

着きました!金峰山⛰️

今レース3座目の日本百名山です。

残すは瑞牆山のみとなりました!

ここから一気に富士見平小屋まで行くぞ❗

と息巻くも、いきなりコースロストし、寄らなくてもよい「金峰山荘」にたどり着きました(笑)
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勢いで行くと、こうなってしまいますね……

ここから、大日岩を抜け、八丁平~ヤナギ坂~富士見平小屋まで行くのですが、二日目の「夜」です。

夜の大日岩だけは避けたかったのですが……

怖い((( ;゚Д゚)))

下が見えない……

落ちたらヤバイ……風強い……

なんてこと考えながら、ルートがよく分からず大日岩をくぐってしまい、あわや崖っぷち❗

まさかの坂をまっ逆さまするところでした((( ;゚Д゚)))

居合わせたブンスイラーさんと、探り探り正しいルートを探して進みます👍

っと、ここで、ルートから外れた眼下の山中から「おーい!おーい!」と呼ぶ声が。

幻聴かな?と思っていたら、一緒に走っていたブンスイラーさんも「声が聞こえる」というではないですか😓

よく見ると、山中にライトが2つ❕迷っている様子💦

こちらから声を投げ掛けると「道に迷って復帰できなくなった」とのことで、復帰のお手伝い!

あわや遭難の危機をお助けできました!

しかも、お助けした方はインスタのフォロワーさんでした👍

助け合いの精神が、分水嶺生還を実現させます!

ちなみに、4人で富士見平を目指す間、またもやプチ遭難事案が発生しましたが、なんとか発見、復帰できました!

ナイトトレイルには危険がたくさんあることを、改めて認識させられましたね!

まだかまだかーとぼやきながら、ヤナギ坂の分岐を越え、富士見平小屋に到着です。

時刻は二日目の22:00ごろになっていました。

小屋も閉まり、みなさん休んでいるので、ここはお静かに……

スタッフさんから頂いたケーキセットと、じゃがいも🥔を頬張り、大弛から大事に持ってきたコーラを飲んで、ベンチで仮眠!

23:30ごろまで、一時間仮眠しましたが、かなり疲れは取れました❕

そして突入❕3日目の午前0時❕
スタートしてから48時間です。

水場で、水を補給して、瑞牆山を目指します❗

ここは、一度試走しているので、夜間でも不安はありませんでした!

が、雨&増水&暗い!

瑞牆山の露岩で、頭を三度も打ち、流血しました💦

このときに役立ったのが、必携品の

   ⏩穴開きペットボトルキャップ

ピンポイントで傷に水をかけられました。

流血も酷くなかったので、放置して進み、瑞牆山山頂付近の不動滝分岐

山頂を拝むか悩みましたが、居合わせたブンスイラーさんと「山頂行っても何も見えないし、雨で滑るし、迷う可能性があるね」と言うことで、山頂をスルーし、不動沢へおります❗

ツルッツルのドロッドロで、滑る滑る💨

暗いからスピードも出ない💦

不動滝までかなり時間がかかりました💦

ヒィーヒィー言いながら、不動滝で給水し、ここでアルファ米のご飯に水を仕込んで行きます❗(カーブミラーで食べました)

一気に林道終点の広場まで降り、沢を渡るべく、分水嶺恒例の丸太橋へ降りる「ケルン」を探すも……あれ?

ケルンが見当たらない……?

おかしいな……

試走のときには、確かこの辺りに……

って感じで、いくら探してもケルンがみつからない💦

やはり夜間は景色が全く違うもので、標が見つけられず、仕方なく林道を巻いて行くことに💦

ほどなくして、林道のカーブミラーにたどり着きました❗

ここからいよいよ

    ⏩踏査区間(地図読み)

です。

夜明けとともに、踏査区間に入る予定でしたので、時間帯的にはちょうどよく、試走もしていたので安心感はありました👍

とりあえず、直登を抜け、尾根に上がります。鉄塔をくぐり、フシノソリから石ッコツへ❕

ここで、一度コースロストしました💦

試走のときと同じロストをしました(笑)

降りる尾根を間違えたのです。

というのも、人の歩いた跡、いわゆる「トレース」があったので、何も考えずにトレース踏んでたら、いつの間にかロストしていました。

「その道、信じるべからず」ですね💦

むしろ、試走でロストしていたから、自分がロストしていることに、早く気付けたのだと、前向きに捉えています👍

ルートは大体こんな感じです。

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この直登は、体力が残っているならば、なりふり構わず真っすぐ登る方が早いです。

もうここまで来てヘロヘロ💦という方は、蛇行して牛歩戦術で進めば、いずれ尾根に辿り着きます。

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地図読みと言っても、さほど難しい区間ではなかったと思います。(間違えたやつが言うな!笑)

ここから、信州峠まで一気に飛ばします。

いよいよ長野県入りです。

ここが最後の踏ん張りどころ!

と己を鼓舞し、突き進みます!

とりあえず横尾山まで一気に登ります。f:id:yamanoid:20190722223006j:image

途中、Cコースチームの猛者さんたちに抜かれます。

は、は、速い!下りが速い!

ついていけない💦

が、僕は登りが得意なので、登りでガンガン飛ばしていたら、なんとCチームさんに追いつきました!

が、また下りで敢え無く抜かれ、また登りで追いつく!

みたいなことを繰り返していたら、追いつくたびに「うわ!また来た💦」みたいな顔して、明らかに引いていました。笑 

勝手に闘志を燃やして
ごめんなさい(m´・ω・`)m

そんなこんなで、結構きつい横尾山までの区間を踏破し、ラスボス

  ☞飯盛山

に向かいます。

ここから、鉄柵を越えたり、ひたすら腰まである藪漕ぎを進んだりと、ひとすじ縄では飯を盛らせてくれません。

なかなか辿り着かないので、ついつい

「いつになったら飯を盛らせてくれるんや(´;ω;`)」

とボヤいてしまいますが、飯のことを考えるとお腹が空くので、無心で歩きます。f:id:yamanoid:20190722223146j:image

やっとこさ飯盛山分岐に辿り着いたとき、居合わせた皆で健闘を称えあいました。

ここから世紀の大ロストが待っているとも知らずに.........。

飯盛山分岐では、僕が大会本部への電話連絡が義務付けられていますので、僕が居合わせた全員分をまとめて、代表連絡という形にしました。
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(主催者の武田さんは「ゴールで待ってるからねー」って感じでライトなノリでした)

ここからは、ゴールの

   ☞平沢駐車場(獅子岩)

まで、下るだけで、飯盛山山頂までは行かなくていいんです。

ということばかりが頭の中にありましたので、分岐で大した確認もせず、ただ下る方向を選択しました。

が、実はその時点で、道を間違えていたのです......エヘッ(〃▽〃)

あとはひたすら下るだけ!120kmの長旅が終わるんだ!ヒャッホーイ!✌('ω'✌ )三

てな感じで小躍りしながら、キロ5分ぐらいの速さで、ゲレンデみたいなところを滑空して行きました。

僕以外の選手は、途中でロストに気づき、引き返したそうですが、霧の中に颯爽と消えゆく僕の背中を止めることができず、ただただ見守るばかりだったそうです(笑)

僕はというと、野辺山側に完全に下りきったところで、後続が誰も来ない、そして駐車場らしきものがどこにもないことから、

  え....俺、もしかして....

   やっちゃった?

って感じで、スマホの地図を起動したところ......

  え....どこ?ここ!状態

「時すでに遅し」とはこのこと。

かなりの距離を下ってきたし、最後の力を振り絞って全力疾走してきたので、エネルギーはエンプティー状態。。。

  マジ......どうしよ。

と途方に暮れるも、間違えたものは仕方ない。次の手を考えよう!ってことで、

☞大回りで、八ヶ岳スケッチラインからロードを経てゴールまで行く

という行程を選択しました。

これだと、下ってきたキッツイキッツイゲレンデを登り返さなくてもいいし、ロード3㎞ほどなので、とぼとぼ走っても30分以内には着く!これしかない!

ってことで、

本当に最後の力を振り絞り、

平沢駐車場を目指します。f:id:yamanoid:20190722223111j:image

途中、JR野辺山駅まで選手を送迎したスタッフさんとすれ違い、

「大丈夫ですか?ゴールで待っています」と励ましていただきました。

聞けば、この世紀の大ロストは、僕で3人目だったそうです💦

そして、毎年いるそうです(笑)

このロード区間中、野辺山の郷に、

午後0時を告げるメロディが流れます。

それを聞いて、僕は

このロストがなければ、60時間以内にゴールできたのになー

と悔しさが込み上げてきたのを覚えています。

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そんなこんなで、いろいろとありましたが.....

60時間12分で

無事生還(人''▽`)ヤッター☆

本当に長く苦しい戦いでした。


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このレースに関しては、本当に「ゴール」や「完走」という表現よりも

「生還」という表現が馴染みます。

行くか、退くかの決断

幾度とないロスト

遭難の危機

いろいろな困難と失敗を経験し、すべてを含め、自分の実力というものがよくわかりました。

このレースに関して言えるのは、

 ☞走力だけでは完走できない
 ☞人間力の試されるレース

だということです。

自分の実力を痛感し、人間力を試してくれたレース

関わって頂いたスタッフ、ボランティア、山小屋関係者、選手

全ての方に心から感謝しています。

来年もきっと、このレースに挑戦しているんだろうなと思います。

できれば、来年、目標である

☞トランス・ジャパン・アルプス・レース

に出たいと思います。

あと一年、こつこつと「人間力」を高めていきたいと思います。

⏩to be next mountain⛰