こんにちは。分水嶺ロスが激しい
やまちゃんです。
長々と書いた前編をお読み頂き?
ありがとうございます。
ここからは、涙と汗の後編
前編をすっ飛ばして来た方はこちら
分水嶺トレイル初日~二日目の早朝にかけて、「雁坂小屋」でのビバーク失敗により、寒さと眠気に耐え、疲労困憊の中、いくつもの山々を越える。
すでに24時間以上、不眠で行動を続けているので、この辺りから幻覚が発現し始める。試走のときと同じ場所で、同じ幻覚も見ましたし、新たな幻覚も見ました(笑)
⏩何でもない枝が、小屋の屋根に見える
⏩葉っぱや木の模様が文字に見える
⏩後ろから人の声が聞こえる
(後続が来たかと思えば誰もいない)
一番興味深かったのは、
⏩神社の幻覚
ご丁寧に、参拝している人まで居ました。
幻覚なんて、この人ヤベー人なんじゃないの?って思っているそこのあなた❗
おそらく、ブンスイラーの大半が、レース中何かしらの幻覚を見てますよ(笑)
きっとこれを読むブンスイラーさんは
⏩俺も俺も❗
って思ってもらえるに違いないです👍
脱線しました。
命からがら、破風山を越え、二日目の早朝、
⏩甲武信小屋
に到着です。
この甲武信小屋でも、スタッフの方のご協力があり、小屋の中で一時的に暖を取ったり、食事をしたりさせて頂けました!
(ゆえに、ここでリタイアという方も多かったのでは……笑っ)
この甲武信小屋でも、「行くか、退くか」
の決断に迫られました!
なんせ、寒い!
このとき、閃き、僕をゴールまで導いたのが、手作りの
⏩エマージェンシーウェア
でした!
ここから奮起し、日本百名山
⏩甲武信ヶ岳
を越え、一気に次の百名山
⏩金峰山
を目指します……
が、タダでは済まないのが分水嶺の面白いところ。
この間に、
「国師ヶ岳」
という、超クセのある難所が待っています❕
僕は、この区間を試走していないので、そのクセたるや知りもしませんでしたが、先行していた女性ブンスイラーさんが、
⏩国師に来るたびに、
「この山は日本一嫌いだ」と思う。
と言っていました❗
その言葉のとおり、急登鋭く、延々と続き、やっと終わったと思えばニセピーク💦
再び降ろされ、また急登❕
このレースで、一番キツイと思うパートでした💦
すべてのニセピークを越え、真の国師ヶ岳に登頂したとき、居合わせたブンスイラー皆で、健闘を称えあったほどです!
そういうのも、このレースのいいところですね👍
ここから、次のCP
⏩大弛峠
までは、下り基調ですぐに着きます❗
木道で階段が続くので、滑らないよう、慎重に下ります。
やっとこさ大弛小屋に着き、通過チェックを済ませ、カレーライスを注文。
コーラとカレー❗山の醍醐味ですね!
そしてここで30分ほどベンチで横になり、仮眠👍
ちょっと横になっただけで、眠れる眠れる(笑)
んで、食べて寝たら、ちょっと回復しました👍
ということで、金峰山に向けていざ出発です❗
意気揚々と、朝日峠、朝日岳を抜け、一気に金峰山へ🎵
ゴツゴツした岩が増え、ゴーロを抜けて行きます!
なんだかこの辺り、北アルプスの常念山脈っぽい雰囲気がある😎テンション上がります👌
着きました!金峰山⛰️
今レース3座目の日本百名山です。
残すは瑞牆山のみとなりました!
ここから一気に富士見平小屋まで行くぞ❗
と息巻くも、いきなりコースロストし、寄らなくてもよい「金峰山荘」にたどり着きました(笑)
勢いで行くと、こうなってしまいますね……
ここから、大日岩を抜け、八丁平~ヤナギ坂~富士見平小屋まで行くのですが、二日目の「夜」です。
夜の大日岩だけは避けたかったのですが……
怖い((( ;゚Д゚)))
下が見えない……
落ちたらヤバイ……風強い……
なんてこと考えながら、ルートがよく分からず大日岩をくぐってしまい、あわや崖っぷち❗
まさかの坂をまっ逆さまするところでした((( ;゚Д゚)))
居合わせたブンスイラーさんと、探り探り正しいルートを探して進みます👍
っと、ここで、ルートから外れた眼下の山中から「おーい!おーい!」と呼ぶ声が。
幻聴かな?と思っていたら、一緒に走っていたブンスイラーさんも「声が聞こえる」というではないですか😓
よく見ると、山中にライトが2つ❕迷っている様子💦
こちらから声を投げ掛けると「道に迷って復帰できなくなった」とのことで、復帰のお手伝い!
あわや遭難の危機をお助けできました!
しかも、お助けした方はインスタのフォロワーさんでした👍
助け合いの精神が、分水嶺生還を実現させます!
ちなみに、4人で富士見平を目指す間、またもやプチ遭難事案が発生しましたが、なんとか発見、復帰できました!
ナイトトレイルには危険がたくさんあることを、改めて認識させられましたね!
まだかまだかーとぼやきながら、ヤナギ坂の分岐を越え、富士見平小屋に到着です。
時刻は二日目の22:00ごろになっていました。
小屋も閉まり、みなさん休んでいるので、ここはお静かに……
スタッフさんから頂いたケーキセットと、じゃがいも🥔を頬張り、大弛から大事に持ってきたコーラを飲んで、ベンチで仮眠!
23:30ごろまで、一時間仮眠しましたが、かなり疲れは取れました❕
そして突入❕3日目の午前0時❕
スタートしてから48時間です。
水場で、水を補給して、瑞牆山を目指します❗
ここは、一度試走しているので、夜間でも不安はありませんでした!
が、雨&増水&暗い!
瑞牆山の露岩で、頭を三度も打ち、流血しました💦
このときに役立ったのが、必携品の
⏩穴開きペットボトルキャップ
ピンポイントで傷に水をかけられました。
流血も酷くなかったので、放置して進み、瑞牆山山頂付近の不動滝分岐❗
山頂を拝むか悩みましたが、居合わせたブンスイラーさんと「山頂行っても何も見えないし、雨で滑るし、迷う可能性があるね」と言うことで、山頂をスルーし、不動沢へおります❗
ツルッツルのドロッドロで、滑る滑る💨
暗いからスピードも出ない💦
不動滝までかなり時間がかかりました💦
ヒィーヒィー言いながら、不動滝で給水し、ここでアルファ米のご飯に水を仕込んで行きます❗(カーブミラーで食べました)
一気に林道終点の広場まで降り、沢を渡るべく、分水嶺恒例の丸太橋へ降りる「ケルン」を探すも……あれ?
ケルンが見当たらない……?
おかしいな……
試走のときには、確かこの辺りに……
って感じで、いくら探してもケルンがみつからない💦
やはり夜間は景色が全く違うもので、標が見つけられず、仕方なく林道を巻いて行くことに💦
ほどなくして、林道のカーブミラーにたどり着きました❗
ここからいよいよ
⏩踏査区間(地図読み)
です。
夜明けとともに、踏査区間に入る予定でしたので、時間帯的にはちょうどよく、試走もしていたので安心感はありました👍
とりあえず、直登を抜け、尾根に上がります。鉄塔をくぐり、フシノソリから石ッコツへ❕
ここで、一度コースロストしました💦
試走のときと同じロストをしました(笑)
降りる尾根を間違えたのです。
というのも、人の歩いた跡、いわゆる「トレース」があったので、何も考えずにトレース踏んでたら、いつの間にかロストしていました。
「その道、信じるべからず」ですね💦
むしろ、試走でロストしていたから、自分がロストしていることに、早く気付けたのだと、前向きに捉えています👍
ルートは大体こんな感じです。
この直登は、体力が残っているならば、なりふり構わず真っすぐ登る方が早いです。
もうここまで来てヘロヘロ💦という方は、蛇行して牛歩戦術で進めば、いずれ尾根に辿り着きます。
地図読みと言っても、さほど難しい区間ではなかったと思います。(間違えたやつが言うな!笑)
ここから、信州峠まで一気に飛ばします。
いよいよ長野県入りです。
ここが最後の踏ん張りどころ!
と己を鼓舞し、突き進みます!
とりあえず横尾山まで一気に登ります。
途中、Cコースチームの猛者さんたちに抜かれます。
は、は、速い!下りが速い!
ついていけない💦
が、僕は登りが得意なので、登りでガンガン飛ばしていたら、なんとCチームさんに追いつきました!
が、また下りで敢え無く抜かれ、また登りで追いつく!
みたいなことを繰り返していたら、追いつくたびに「うわ!また来た💦」みたいな顔して、明らかに引いていました。笑
勝手に闘志を燃やして
ごめんなさい(m´・ω・`)m
そんなこんなで、結構きつい横尾山までの区間を踏破し、ラスボス
☞飯盛山
に向かいます。
ここから、鉄柵を越えたり、ひたすら腰まである藪漕ぎを進んだりと、ひとすじ縄では飯を盛らせてくれません。
なかなか辿り着かないので、ついつい
「いつになったら飯を盛らせてくれるんや(´;ω;`)」
とボヤいてしまいますが、飯のことを考えるとお腹が空くので、無心で歩きます。
やっとこさ飯盛山分岐に辿り着いたとき、居合わせた皆で健闘を称えあいました。
ここから世紀の大ロストが待っているとも知らずに.........。
飯盛山分岐では、僕が大会本部への電話連絡が義務付けられていますので、僕が居合わせた全員分をまとめて、代表連絡という形にしました。
(主催者の武田さんは「ゴールで待ってるからねー」って感じでライトなノリでした)
ここからは、ゴールの
☞平沢駐車場(獅子岩)
まで、下るだけで、飯盛山山頂までは行かなくていいんです。
ということばかりが頭の中にありましたので、分岐で大した確認もせず、ただ下る方向を選択しました。
が、実はその時点で、道を間違えていたのです......エヘッ(〃▽〃)
あとはひたすら下るだけ!120kmの長旅が終わるんだ!ヒャッホーイ!✌('ω'✌ )三
てな感じで小躍りしながら、キロ5分ぐらいの速さで、ゲレンデみたいなところを滑空して行きました。
僕以外の選手は、途中でロストに気づき、引き返したそうですが、霧の中に颯爽と消えゆく僕の背中を止めることができず、ただただ見守るばかりだったそうです(笑)
僕はというと、野辺山側に完全に下りきったところで、後続が誰も来ない、そして駐車場らしきものがどこにもないことから、
え....俺、もしかして....
やっちゃった?
って感じで、スマホの地図を起動したところ......
え....どこ?ここ!状態
「時すでに遅し」とはこのこと。
かなりの距離を下ってきたし、最後の力を振り絞って全力疾走してきたので、エネルギーはエンプティー状態。。。
マジ......どうしよ。
と途方に暮れるも、間違えたものは仕方ない。次の手を考えよう!ってことで、
☞大回りで、八ヶ岳スケッチラインからロードを経てゴールまで行く
という行程を選択しました。
これだと、下ってきたキッツイキッツイゲレンデを登り返さなくてもいいし、ロード3㎞ほどなので、とぼとぼ走っても30分以内には着く!これしかない!
ってことで、
本当に最後の力を振り絞り、
平沢駐車場を目指します。
途中、JR野辺山駅まで選手を送迎したスタッフさんとすれ違い、
「大丈夫ですか?ゴールで待っています」と励ましていただきました。
聞けば、この世紀の大ロストは、僕で3人目だったそうです💦
そして、毎年いるそうです(笑)
このロード区間中、野辺山の郷に、
午後0時を告げるメロディが流れます。
それを聞いて、僕は
このロストがなければ、60時間以内にゴールできたのになー
と悔しさが込み上げてきたのを覚えています。
そんなこんなで、いろいろとありましたが.....
60時間12分で
無事生還(人''▽`)ヤッター☆
本当に長く苦しい戦いでした。
このレースに関しては、本当に「ゴール」や「完走」という表現よりも
「生還」という表現が馴染みます。
行くか、退くかの決断
幾度とないロスト
遭難の危機
いろいろな困難と失敗を経験し、すべてを含め、自分の実力というものがよくわかりました。
このレースに関して言えるのは、
☞走力だけでは完走できない
☞人間力の試されるレース
だということです。
自分の実力を痛感し、人間力を試してくれたレース
関わって頂いたスタッフ、ボランティア、山小屋関係者、選手
全ての方に心から感謝しています。
来年もきっと、このレースに挑戦しているんだろうなと思います。
できれば、来年、目標である
☞トランス・ジャパン・アルプス・レース
に出たいと思います。
あと一年、こつこつと「人間力」を高めていきたいと思います。